相対的絶対音感「当教室が相対音感に拘る理由」
(絶対音感の必要性??)


☆絶対音感の必要性☆   ☆聴こえない絶対音感☆   ☆計算式に聴こえる耳☆   ☆音楽の質と心☆   


絶対音感は絶対に必要なのか


絶対音感は本当に必要なのでしょうか‥‥‥

などと言いながら、実は私は絶対音感の生徒さんを抱えております。
「絶対音感は本当に必要か」という疑問を投げかけつつ、
それでもどうしても子供には絶対音感を付けさせたいという
親御さんには、こちらの疑問をすべてお話した上で、
納得していただいた方のみ、お引き受けしております。
しかし、未だに疑問に感じてなりません。
絶対音感は本当に必要なのでしょうか?


絶対音感は本当に必要なのでしょうか・・

と疑問を投げかける前に、絶対音感があると何が出来るのか
お話しておきたいと想います。

実は私自身、絶対音感保持者であります。
一度聴いた曲はすぐに覚えてしまって、
すぐにピアノで弾けてしまいます。
音楽の構造が耳で理解出来てしまうので、理論を学んだり、
楽譜を見ることが大変苦痛に感じていた時期がありました。
楽譜に正面から向くことが苦痛だったのです。
なぜなら、「耳」で聴いて先に覚えてしまった方が 楽譜を読んでからピアノを弾くよりも断然速いから、
というのが大きな理由でしょうか。。。
これから自分の知らない、新しい曲を弾こうとする時には
もちろん楽譜を見ますが、それも3回くらい弾いたらもう覚えてしまいます。
そのかわり・・もしも間違えて譜読みしてしまったら大変です。。
その間違えたまま 覚えてしまいます
師匠に指摘されるまで 間違いに気付かなかったりといった事もありました。

そうなのです、「耳」でそうやって覚えてしまうので、
楽譜を読むのに大変時間がかかっていた時期がありました。


絶対音感の欠点


これは 絶対音感の欠点だと私自身は考えています。
とにかく聴いた音をすぐに覚えてしまう。
それも、一音一音全部「ドレミ」に聴こえるので、
絶対音感を持った人の演奏は「一粒一粒ハッキリしてる」ように
私は聞こえる事が多いのです。
(これは 私の勝手な感想です。)
一つ一つの音がその固定した「音」そのものなので、
一粒一粒が「独立」してしまうんですね。
だから、ハッキリ聴こえるような気がします。



本当の「音楽」とは?

でも、音楽は一つ一つの音をただ無造作に並べただけでは
「音楽」とは言えません。
そこには一つ一つの音がお互いに関連し合って、
その並びの中に一つのアイデアが生まれてくるような、
その音がどうしてそこにあるのか、それはすごく意味の深いもので
前の音があったからこそ この音があって 
さらに次の音へつなげるのにも意味があって
ここまで理解するのに。。。数十年かかりました。。。

私が今生徒さんで絶対音感の生徒さんを受け付けていないのは、
こうした自分の欠点があるからなのです。
絶対音感持ってるって すごいことなのだと想われがちですが、
それは違うと私は考えています。
絶対音感は、音を「左脳」で聴きます。
音楽感性に非常に重要な右脳で音楽を聴く事が出来ないのです。
ですから、時に絶対音感は、音楽を「心から楽しむ」ために
邪魔な存在になってしまう場合があります。
※絶対音感保持者全員が同じように感じる訳ではありません。
※あくまでも個人的主観で書かせていただいております。



音楽を心で感じるには?

この「右脳で音楽を聴く事が出来ない」と私が最初に気付いた時に、
おそらく、絶対音感保持者とそうではない人とでは、
音楽の聴き方が違うのだろうなと私は想いました。
そして、自分以外の人すべてが、自分と同じように音楽を聴いていないのだと分かった時、
私は「絶対音感として音楽を聴くのではなく、絶対音感ではない耳で音楽を聴きたい」と
強く強く想ったのでした。
そして私自身がそう感じてしまったが為に、
自分は音楽を心で聴く事が出来てないと感じました。

『絶対音感持ってるんだって?すごいね!』『絶対音感があるからいいじゃない!』などと
言われ続けていた幼少期、自分はすごいのだと想っていましたが、
そうじゃないと気付いた時、私はすごく自分を責めました。
私は、すごくない。
絶対音感があるから すごいんじゃないです。
絶対音感があっても すごくないんです。
絶対音感は絶対的に必要なものじゃない。
江口寿子先生が「絶対音感」という本でお書きのように、
「絶対音感は魔法の杖ではないんです」
いくら耳がよく聴こえても
いくら聴音がすばらしく出来ても
その音楽を「心」で「感じて」、自らの心で「演奏」して、
その曲の裏に深い意味合いが浮かんで来なければ。
演奏するのは、師匠じゃない。私。
演奏するのは、私の指じゃない。私。
演奏するのは、私の耳じゃない。私なんです。
私の心。
音楽を心で感じたい♪

そう、強く強く、願ったのでした。

















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